Hanabi

あの日君は僕の手を引いて言った
壁の向こうにある暮らしを目指そうと
弱くて折れそうな僕の肩を抱いて
深い闇の中をどこまでも歩いた

ふたりが目指した夢は遠い
ふたりがなくした夢も遠い

ふたりきりで過ごす夏が始まった
裸足で踏みしめた畳が痛かった
僕のために買ってくれた花火は
鬱いだままでいてそれも無駄にした

ふたりが目指した夢は遠い
ふたりがなくした夢も遠い

つまらないものばかりいつも愛した
増えては困る猫ばかり拾ってた
僕の隣ではいつも君が笑ってた

散歩の帰り道 鐘の音を聞いた
とても懐かしくて涙がこぼれた
僕の手を振りきり君は走り出した
空は今も暗く僕らを閉ざしてた

ふたりが目指した夢は遠い
ふたりがなくした夢も遠い

冷たい雨が降った君はひとり
足元に転がる石を見てた
僕は傷だらけの猫を抱いた
守られ続けた僕らがいた
そんな意味は忘れたままでよかった

やがてまた僕らは連れ戻された
やり残した花火も手つかずのまま
それを抱いて君の部屋を訪れた
君はいつの間にか笑わなくなってた

つまらないものばかりいつも愛した
増えては困る猫ばかり拾ってた
今度は僕が笑って見せるから
今度は僕があの夏へ連れ出すから



もう、やばいです;w;